塩の道お祭りご膳の一例(イメージ)写真2枚とも塩の道「千国街道」は、内陸信濃と日本海を結ぶ大切な交易と交流の路でした。信濃からは、麻やたばこなどが運ばれ、はるばる日本海側からは、塩や海産物をはじめ漆器や衣類などがもたらされ、芸能や文化が伝えられました。
信濃大町は、この千国街道の宿場町として古来から栄えてきました。中央を町川が流れ、「かぎの手状」の街道に沿って奥行きのある都風の家並みが軒を連ねていました。戦国時代には、名族仁科氏が街を見通す場所に館を構え、江戸時代になると松本藩が代官所を置き、荷物を受け渡す牛馬や行きかう人々で大変なにぎわいをみせたと伝えられています。
人々は、豊作に感謝し、街道の繁栄を願い、街はずれに若一王子神社をまつり、国宝の仁科神明宮とともに両社を一体として盛大な夏祭りを祝い、勇壮な子ども流鏑馬やきらびやかな舞台揃い、愛らしい稚児行列などを催してきました。
市内の旧家には、往時の繁栄を伝える多数の古文書類が残されています。中には、夏祭りの際に、ふるまった食事や接待として出された料理の献立帳なども見られ、地域の特産品と街道を運ばれてきた海産物がみごとに調和した品々は、ひときわ目を引きます。
塩の道 お祭りご膳は、季節によって内容が変わります。この度は、こうした塩の道千国街道の繁栄を今に伝える郷土料理を基本として、新しい地元産食材も加え、市内の飲食店やホテル、旅館などの協賛をいただき、料理研究家横山タカ子先生のご指導を得て現代風にアレンジした「塩の道お祭りご膳」を皆様にお届けいたします。
各店舗が創意を凝らした一品一品を精選された地酒と共に是非、ご賞味ください。